2021年7月22日木曜日

ぼくは川のように話す

                          
みんなと違うぼくの言葉











朝起きるともう周りは言葉であふれている。でもぼくには
うまく言えない言葉がある。言葉は他の人に伝える力があ
るのに、ぼくの言葉は友だちや他の人にはなかなか伝わら
ない。例えば部屋の窓からみえる松の木の「ま」、木にと
まっているからすの「か」朝の空の月の「つ」。だからぼ
くの口の中に詰まっているそれらを言えずに黙ったまま。
友だちも先生もわからない。どうしても口は動かない。
帰りに迎えに来たお父さんが静かな川に連れて行ってくれた。
そして、涙いっぱいのぼくをひきよせていった。「川を見て
ごらん。あれがおまえのはなしかただよ。」泣いてしまいそ
うな時だまりこんでしまいそうなとき、ぼくはおもいだす。
ぼくは川のように話すのだと。
詩のような文と子どもの胸いっぱいの気持ちを描いている絵。
最後のページに書かれていることでもなく、少年は吃音、口
から発せられる言葉と体がいっしょにならない。自分より他
の人に言葉が伝わらない。話す者と聞くものの体がつながら
ない。だから言葉と他の人の言葉はつながらない。
作者は「なんの心配もなく、上品に流暢な話し方ならいいの
に。でもそれはぼくではない。ぼくは川のように話すのです」
川はいろいろな形に変わります。はげしい時もあれば静かに
流れるような時もあります。ぼくの言葉も川のよう、それがぼ
くなのです。
私も昔、ちょっと吃音の時がありました。叔母はかなり重症で
教師をあきらめた人です。「あなたは運がいい子なのよ」と会う
たびにわたしに言った人でした。
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「ぼくは川のように話す」
ジョーダン・スコット文
シドニー・スミス絵
原田勝 訳
偕成社刊 本体1600円





















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